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トラネキサム酸とは?

3つの作用

 今回はトラネキサム酸さんについての効果、服用量、副作用についてまとめて解説していきたいと思います。

トラネキサム酸とは、人工合成されたアミノ酸です。

止血剤、抗炎症剤として、出血の予防とか治療にまず使われます。だから外科的な手術をした後ですとか、血を抜いた後なんかにも投与されます。

あと副作用があることも知られていて、市販では肝斑の治療薬として売られているトランシーノが有名です。他にも美白の有効成分としていろんな化粧品に配合されています。

そんなトラネキサム酸の作用は主に三つあります。

止血作用、抗炎症作用、美白作用ってものになります。

どれも抗プラスミン作用というものが関係しています。

まず一つ目の止血対応っていうことなんですけれど、トラネキサム酸には抗プラスミン作用っていうのがあり、血栓、血の塊を分解しにくくするっていう作用があります。

なので止血剤として使われています。そう聞くと、トラネキサム酸を飲んでいると、血栓ができやすくなるんじゃないかなとか、血液がドロドロになっちゃうんじゃないかなっていうふうに心配になる人もいるかもしれないんですけど、そんなことはないんです。

 

 

トラネキサム酸の作用は正確に言うと、血栓があるときに、それが溶けにくくするっていう作用であって、血栓ではありません。健康な人が内服していても、血栓ができたりとか、血がドロドロになるってことはありません。

ただ、ピルを内服しているですとか、コレステロールが高いというように、ちょっと血栓症の素因があるっていう人は、飲むのを控えた方がいいかもしれません。

二つ目に抗炎症作用です。

抗プラスミン作用があることによって、抗炎症作用を持ちます。

なので、扁桃炎の治療ですとか、湿疹とかアレルギーの治療に使われることもあります。

三つ目は美白作用は、元々トラネキサム酸っていうのは美白剤として開発されたわけではなかったんです。日本ではアレルギーの治療として慢性蕁麻疹の患者さんが飲んでいました。

トラネキサム酸を飲んでいた慢性蕁麻疹の患者さんの肝斑が薄くなったんです。

それが1979年に初めて報告されて、その後美白作用っていうのがすごく注目されるようになりました。臨床試験が進められて、今ではしみの中でも、肝斑の治療薬として広く処方されています。

 

どうやってシミとか肝斑に効いてるかっていうと、作用基準は3つ。

まず一つ目は、メラノサイトを活性化させるプラスミンの作用を抑えることによってメラニンの産生を抑えること、二つ目はメラノサイトに直接働きかけてメラニンの産生を抑えるってこと、三つ目に、プロスタグランジンの産生を阻害して、抗炎症作用を持つというな作用があり、シミの中でも特に肝斑に使われることが多いです。

1日に飲む量ですが、1錠が250mgか500mgなので、1日3回の内服で、大体1日750ミリから1500ミリぐらいで処方されることが多いです。

海外の論文なんかを読むと、アジア人の肝斑の患者さんでは、1日500ミリの内服でも十分な効果があると言う報告や、1日にトラネキサム酸を500ミリ内服した群と、50ミリ1000ミリ1500ミリ内服した群を比べると、肝斑の重症度の指数にさがなかったと言う報告もあります。

 

 

なので、多くの海外の報告をまとめると、1日に500ミリから750ミリ内服すれば十分有効だといえます。

内服する期間としては、多くの報告をまとめると、大体4週間から8週間ぐらいで効果が出てくると言われています。

即効性があるわけではなく、徐々に効いてくる感じなので。中には内服していても効果を感じないとやめてしまう人もいます。

ただ、継続するっていうことが大切ですので、続けて内服するようにしてください。

そして一度飲み始めたら、どのぐらいの期間の内服すればいいのかっていうことですが、これには明確な決まりはないです。長期に内服した人の方が、肝斑の改善効果が高かったですよっていう実験結果もありますが、中に血栓症のリスクっていうのを心配して、原則3ヶ月で処方しているクリニックもあります。

患者さんの中にも、やっぱり血栓症心配して、数ヶ月内服、数ヶ月休薬してというような飲み方をしてる人も結構おられます。

明確な決まりはないので、これはもう個人的な意見なんですけれど、安全な薬だと思いますし、休薬期間を挟むことで、血栓症のリスクが下がるっていうようなエビデンスもないんですね。なので、個人的には長期内服しても問題ないんじゃないかなと考えていてます。

 

最後にトラネキサム酸の副作用についてですが、一番多い副作用は消化器症状になります。例えばちょっとおなかが痛いとか、胸焼けがするとか、ちょっと吐いちゃったみたいなことです。ただ、頻度は0.1%から1%とかなり低いものになってます。

あとはやっぱり止血剤として使われることがあるので、血栓症のリスクが上がる可能性はありますよって言われています。ただ、血栓症のリスクが上がるっていう明確な医学的な根拠はありません。

今回はトラネキサム酸について解説してみました。

シミの中でも特に肝斑にはすごく有効な薬ですので、内服することをおすすめしています。

ただ、トラネキサム酸は、肝斑に対して保険適用はない薬になりますので、処方してもらうときは基本的には自費になると考えてください。肝斑は結構診断が難しく、診断が大事になりますので、しっかりとしたクリニックを受診して、肝斑の診断を受けてから処方されて内服することをおすすめします。